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「アジアの壁」と呼ばれた男、井原正巳。

リベロというポジションを日本に定着させたと言っても過言ではないだろう。

まだ日本がアジア内でも勝つのがやっとだった時代に、DF陣をまとめ上げて戦った守備の要。

プレーに特別華があるわけでもない。圧倒的なフィジカルがあったわけでもない。

それでも井原なら何とか敵の攻撃をストップしてくれる、もしも井原がやられたら、

それはもう仕方がないと思ってしまうほどの不思議な信頼感があった。

派手なパフォーマンスを見せるFWに人気集まる中、私はその冷静な仕事ぶりに大人の男のかっこよさを感じていた。

そんな井原の数少ないゴールの中で、忘れられないのが1994年の韓国戦でのスーパーロングシュート。

普通はあんな位置から狙おうと思わない。

あのとき彼にしか分からない感覚で、「決まる!」と確信したのだろう。

歴代日本代表ベストゴールとして、私の心に残っている。今後は指導者として、日本代表を支えていっていただきたい。

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